博物学探訪記

奥会津より

書評

読書会書評 あのとき特別だったものの先に

「うまくいえないんだけど、すごくかなしいときとか、すごくうれしいときとかに、目の前に世界があって、それって世界の切れっ端なんだけど、そのときその人にとっては、その切れっ端が、においも、色合いも、全部完璧だってことだとわたしは思ったわけ。な…

書評 小松理虔『新復興論』ゲンロン叢書,2018

本を買いに出かけ、喫茶店で読む自分と著者の関係 2018年9月7日。郡山は曇り。遅まきながら、小松理虔さんの『新復興論』(ゲンロン叢書, 2018年)を買いに行く。普段であればアマゾンなどの通販で書籍を買うが、この本はどうせ買うなら書店にまで足を伸ばし…

岡田麿里『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』文芸春秋, 2017年

書評サイト「本が好き!」に書いたものを転載します。 www.honzuki.jp 岡田麿里という名前を覚えたのは、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011年)というアニメ作品を見たときだが、それ以前から気に入って何度も見ていたアニメのいくつかは…

小田嶋隆『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』ミシマ社, 2018年

書評サイト「本が好き!」に書いたものを転載します。 www.honzuki.jp 『小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」: 世間に転がる意味不明』を愛読しているので、本書も出版時から気になっており、本日ようやく手にとって読む。「ア・ピース・オブ・警句」とい…