博物学探訪記

奥会津より

森の校舎カタクリにて

2023年4月16日、午後2時20分現在。

 

三島町生涯学習センター「森の校舎カタクリ」の二年二組教室でこの文を綴っている。

 

「森の校舎カタクリ」正面

二年二組教室

久しぶりに、仕事や実務の用事を離れて文章を書いている。そうすると、濁流のようにこの時間に至る経緯が思い起こされてゆく。

 

思えば、実にいろいろなことが起きた。自分の人生において予期していなかったライフイベントが発生し、それらの出来事に翻弄されながらここ一、二年を過ごした。集中して文章を書くなんていう気にはとてもならない時間だった。

 

しかし、定期的に文章を書かないということは、どうにも座りが悪い気持ちになる。知らず知らずに負債が増えていくような、自分が課した責務を全うしていないような、そんな気持ちだ。

 

だからこそ、どうにかして自分が何かを書き上げるような時間と空間を用意したいと考えていたし、そういう機会が巡ってこないかとも思案していた。

 

そんなときに、このお知らせ版が届く。

 

 

ほとんど反射的に、この廃校となった校舎の空き教室を借りることにした。自分が暮らす町ながら、ちょっと思い切ったことをしたなと思うし、ほとんど反応はないらしいが、個人的には絶好の機会といったところだ。

 

4月1日から利用する形で教室を借り、少しずつ中を整えながら、自分が作業する空間をつくってきた。貸主からは、もともとあった備品はある程度好きに使っても良いという、実にゆるやかで好ましい言葉をもらっている。

 

平日は仕事があるので、特に使うことはないのだが、週末の休日に少しずつ自分が利用したい形をつくり上げていくことは、思いのほか新鮮で楽しい体験でもある。

 

もともとあった備品を移動し、家具の配置を考え、欲しいものを準備していく。メルカリでパソコンのモニターを購入し、キーボードやマウスは新調する。ノートパソコンやスピーカーは持っていたものを流用する。奥さんに頼んで、ハンドドリップでコーヒーが飲めるくらいの道具を貸してもらう。

 

自分の理想の空間をつくる。破格といってもいいような条件でこんなことができるのは、寂れた過疎地域ならではの特色なのかもしれない。真夏と冬場がどうなるかは今のところ不明だが。

 

まずは掃除から

もとの備品を再配置する

パソコン環境を整える

 

文章を書くための空間を欲したこともさることながら、その他にもいろいろな用途を模索している。

 

一つは、子どもが生まれてからは遠出をすることが難しくなってきたので、近場で自分のための娯楽施設を用意できないものかと考えた。具体的には、定期的に映画館に行くことを断念する代わりに、プロジェクターを買って映画を鑑賞する場を設けたい。

 

二年二組の教室を選んだ理由も、壁紙の色や柄が比較的プロジェクターの映写に適していると思ったからだった。というわけで、予算を考えながらひたすらプロジェクターについて調べ、YOUTUBEの関連動画を見漁った。結果的に予算上の妥協に妥協を重ね、wimius P62を購入した。

 

プロジェクターの投映サイズと輝度を確認

最適と思われる配置にしてみる

 

予想してはいたことだが、昼間に外光が入る場所でプロジェクターを見るためには、おそらく2000ansiルーメンくらいの輝度が必要であり、wimius p62の500ansiルーメン程度では歯が立たなかった。とはいえ、2000ansi出そうと思ったら、10万円を超えるプロジェクターを買わないといけないので、予算的に無理だった。まあ、夜だったらたぶん大丈夫だろうけれども、このプロジェクターは昼でも暗い自宅で使うほうが良いみたいだ。

 

こういうこともある。カタクリで映画鑑賞をするには、別の方法を考えよう。

 

現在時刻は、午後3時44分。プロジェクターに関しては軌道修正が必要だが、パソコンで文章を書くには、良い環境だった。ハンドドリップでコーヒーを淹れるのは、もっと修練が必要らしい。

 

ゆっくりとリラックスできる、楽しい時間だった。今後も、こういうことを徒然と書いていきたい。

 

おわり。