ハルカの国 hommage.main.jp 『ハルカの国』では、既存の『国シリーズ』における天狗の国の在り方がどのように形成されていたのかを、人間の国におけるユキカゼとハルカという二人の化けの視点から描いている。 『ハルカの国』はまだ完成していない。しかし…
Kazuki氏の同人サークルStudio・Hommageが手掛ける『国シリーズ』に、今年の夏は耽溺した。こちらが悔しくなるくらい素晴らしい作品の連続だった。自分でもこういうものを書けたらなと思う物語を見事に言語化し、表現し、演出していた。日々の生活の中で自分…
9月1日(日)に福島市のイオンシネマ福島で山田尚子『きみの色』(2024)を、フォーラム福島でピエール・フォルデス『めくらやなぎと眠る女』(2022)の日本語吹き替え版を観てきた。 www.youtube.com www.youtube.com 『きみの色』は説明しがたい映画だ。ストーリ…
実家に帰省していたので、その自室からこの文章を書き始めた。 奥会津から2時間ほど車で運転したのち、郡山の実家に到着した。奥会津の自宅が引越しを行う予定なので、荷物を整理しがてら、余った家電などを実家の自室に設置し、せっかくなので書斎のように…
今年のお盆休みに平川克美『俺に似たひと』(医学書院、2012年)を読んだ。 平川克美の著作は定期的に読んでいるが、本書は今年になってその存在を知ってから、どこかでじっくり読んでみたいと思っていた。この本は、自分の父親の介護の話であるからだ。僕は…
高橋久美子『その農地、私が買います:高橋さん家の次女の乱:高橋さん家の次女の乱』(ミシマ社、2021年)を読んだ。 ミシマ社から出ている本は定期的に読んでおり、本書も『ちゃぶ台』か何かで紹介されていたので気になっていた。自分が住んでいる奥会津地…
人生とやらが二転三転してしばらくの時が過ぎた。 ころころと転んだ先で、どうやらずいぶんとまともな感じになってしまったようだ。 妻子があり、そこそこのサラリーをもらい、特に不自由がない生活を送る。 すっかりマン・オブ・ザ・ワールドの一員になって…
少し前に、と言ってもどれくらい前だったか思い出せない。たぶん半年から一年前くらいだろう。それくらいの時期に、えらいてんちょう『静止力:地元の名士になりなさい』(KKベストセラーズ、2019年)を読んだ。 「えらいてんちょう」こと矢内東紀(やうちは…
2023年4月23日(日)14時34分現在、三島町では町長選挙の投票日となっている。僕はすでに期日前投票を済ませた。三島町の未来に幸あれ。 前回からの続きとなる記事を書いている。 hinasaki.hatenablog.com 奥会津の廃校の一室に求める機能は、書斎であり、娯…
2023年4月16日、午後2時20分現在。 三島町生涯学習センター「森の校舎カタクリ」の二年二組教室でこの文を綴っている。 「森の校舎カタクリ」正面 二年二組教室 久しぶりに、仕事や実務の用事を離れて文章を書いている。そうすると、濁流のようにこの時間に…
はじめに 押井守の映画には、2020年度の前期に読んだニーチェの『善悪の彼岸 道徳の系譜』(筑摩書房, 1993年)に連なるような思想があらわれていると思う。個人の主体化とそれに伴う責任の問題や、その問題を取り巻く社会情勢への見方に両者の類似点が垣間…
1887年に刊行された『道徳の系譜』は、副題および巻頭言にあるように、「一つの論駁書」であり、「最近公刊された『善悪の彼岸』の補遺および解説」として世に出た。ゆえに、ニーチェが表現手段としてこだわったアフォリズムの形式が影を潜め、学術論文のよ…
テーマ:禁欲主義的理想による〈没意味〉からの離脱 人間の主体形成とその起源:〈良心の疚しさ〉 人間主体は、思考[1]/〈活動〉[2]によって形成される[3] 〈活動〉に〈作用〉[4]するのは〈権力への意志〉である 〈意志〉における〈約束〉[5]によって、人間…
Aさん(昭和13年出生)は昭和34年の20歳のときに金山町小栗山の旦那さんの家に嫁いだ。小栗山は畑や田んぼが平じゃなかったので驚いたとされる。三島町西方の実家は裕福で何でもあったので、その落差にも驚いたのであった。実家は百姓のかたわら菓子屋をして…
1.はじめに:どこにいても異郷 2020年4月12日(日)に実施予定だった会津学研究会の読書会(新型コロナウィルス感染拡大防止のため延期)における課題本、赤坂憲雄, 鶴見和子『地域からつくる:内発的発展論と東北学』(藤原書店, 2015年)を読み終えた。…
前方にノートパソコン、スピーカーからはsportifyから流れるビル・エヴァンスの宗教的やさしさに聞こえる “Waltz For Debby”、右手はときおりマグカップに淹れたミルクティーをすすり、下半身はこたつにつっこまれている。Bが書いた手紙の一通目にときおり目…
「うまくいえないんだけど、すごくかなしいときとか、すごくうれしいときとかに、目の前に世界があって、それって世界の切れっ端なんだけど、そのときその人にとっては、その切れっ端が、においも、色合いも、全部完璧だってことだとわたしは思ったわけ。な…
各自の報告を松崎なりにまとめると、本書評のテーマは「パラダイム――下から見るし、横からも見る――」ということになる。つまり、報告者はクーンのパラダイム論を、クーンに足りてない事柄およびそれぞれの視点と素材に基づき論じなおし、より広い枠組みで捉…
思えば、今年度はいろいろな場所を訪れた。 5月に沖縄に行き、7月には九州を旅し、そして9月は東北を移動して回った。 20代の最後の年としては、なかなかに充実していたのではないか。 とはいえ、同年代の友人が社会人としてそれなりの月日を過ごし、マン・…
最後に記事を書いたのが9月ですね。 アクセス解析を見ていると、こんなきれぎれのブログにもちらほら訪問者がいることがわかります。ありがたいことです。 その間なにをしていたかというと、おもに東京の大学院に通って必要な単位を取るために授業を受けてい…
本を買いに出かけ、喫茶店で読む自分と著者の関係 2018年9月7日。郡山は曇り。遅まきながら、小松理虔さんの『新復興論』(ゲンロン叢書, 2018年)を買いに行く。普段であればアマゾンなどの通販で書籍を買うが、この本はどうせ買うなら書店にまで足を伸ばし…
2018年8月26日、晴れ。郡山市は気温が32度ほどだが、午前9時ごろからかなり暑く感じる。午前中に庭の家庭菜園の草むしりを行うも、顔や腕を蚊にさされまくり、30分ほどで断念する。農家のおばちゃんが虫除けのために顔を覆う帽子が欲しいと強く感じた。 準備…
2018年7月20日、夕方。博多駅から高速バスに乗り、長崎駅に到着。下の写真の時刻は16時15分ほど。 この日は駅近くのホテルにチェックインして、特に行動せず。 翌21日より、長崎探訪を行う。 長崎市の南北を中心に市電が走る。大人一回120円で、ほとんどの観…
2018年7月23日。湯布院の民宿で起床。晴天だが、湯布院は標高が高いので気温はおそらく30度前後。福岡や長崎よりもずいぶん涼しく感じる。 駅前からの観光通りから東南に少しずれると、田んぼや農地が広がる。美しい。 朝食をすませ、荷物を宿に預かっていた…
2018年7月20日。晴天。 天神周辺のビジネスホテルで目覚める。九州滞在2日目。 朝食を済ませて、探索に出向く。 街のふとした所に神社があり、住民の方が朝からお参りに訪れていた。 福岡県立美術館着。常設展示を見る。夏休み特集で、展示の工夫が凝らされ…
2018年7月19日。快晴。気温36度。 成田空港よりジェットスターで福岡空港に向かう。 空港で国際線ターミナルに移動し、バスで大宰府に直行。運賃大人500円。 大宰府駅着。外国人旅行客の姿が目立つ。 駅から歩いて、昼食をとり、大宰府天満宮へ。 装飾や、朱…
2018年7月8日(日)晴れ 昼前に郡山から会津若松へ車で向かい、渡部さん・長谷部さんと合流して、会津風雅堂の講演会に参加する。 講演会「どうせ田舎?チガウダロ!~可能性だらけ!福島のこれから~」 @会津風雅堂 13時~15時 主催者:公益社団法人日本青…